ジッキーの今
1889年に発売されたJickyという名の香水
とはいえ、香りに関しては古い印象は全くなく、むしろモダンだと言えます
心地よいベルガモット、ラベンダー、そしてスモーキーなバニラが合わさった、少しオリエンタルな要素が入ったフゼアです
こちらの香水は過去にフォーミュラの変更が何回か行われ、昔と香りが違いすぎるという意見がネット上に多くありました
そして近年、再度フォーミュラが変更されたとの噂が!それも良い方向へと
僕はヴィンテージや旧バージョンのJickyを持っていないため、比較ができないのですが...
少なくとも現行版 (レジェンダリーフレグランス) はかなり良いと言えます
古いバージョンをお持ちの方、現行版と比べてみて、どんな感じでしょうか?
非公式で個人的なノートピラミッドは
[ミドル] ラベンダー, ゼラニウム, ローズ, ジャスミン
[ベース] トンカビーン, バニラ, シベット, パチュリー, ムスク, サンダルウッド
ルートビアのようなオープニングからラベンダーとバニラが既に感じられます
10分ほどしていきなりハーバルなアニマリックノートが現れますが、遠くからだとラベンダーとバニラの香りなので不思議
ここは、お香のように感じる方もいるかもしれません
お米を研ぐとき、こんなアニマリックな香りがしたような気がします (お米を最近食べていないので、的確な例えではないかもしれませんが...)
セージの香りにも少し近いです
フゼアという名の通り、草のような印象が強いです
つけてから2時間くらいで、香ばしい、甘い焼き菓子のようなドライダウンへと移り、ここで変化は落ち着いていきます
スモーキーなバニラをメインに、かすかに残るすっきりとしたハーバルなノートとスパイスが合わさり、心地よく、温かみのある香りを放ちます
この時点でアニマリックノートは既に消え、鼻を近づけると、これまた美味しそうなバニラの香りが...
若干パウダリーで、あとはユーカリのようなフレッシュさも兼ねています
ところで、Jickyを作った調香師 Aimé Guerlain氏は何故、この名前を選んだのでしょう?
Jickyというのは人の名前なのですが、その名前の由来に有力な説が2つあります
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"自身が恋を抱いていたJickyという女性"
"自分の甥 - 後にゲランの3代目調香師となるJacques Guerlain"
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ゲランの公式サイトの説明では前者が書かれています
後者の可能性も十分にあるということで長い間、真相は明らかにならないままでした...が
ある日、Luca Turin氏のJickyに関するブログを読んでいるとAimé Guerlain氏は同性愛者だった、とのこと
そして名前の由来はJacquesから来ているようです
これは単なる噂ではないようですが、ソースがなかなか見つからなかったため、これで謎は解けた、とは言い難いですね
恋を抱いていた相手が男性で、名前がJacquesだと考えると前者の説がしっくりきます
ゲランには何か守りたいものがあったのかもしれません - ブランドのイメージか、本人か...
余談ですが、僕のJickyは上の写真の旧パッケージで届きました (ボトルはビーボトルではなく、記事一番上の写真の通りですが)
製造日も2020年10月で、Jickyがレジェンダリーフレグランス コレクションの1つとして発売される数ヶ月も前です
初期バージョンだと思うと少しレアな気分でいられます (^^
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以下、参考サイト